呪術廻戦に登場する、呪胎九相図(じゅたいくそうず)の元ネタを紹介します。
呪胎九相図(じゅたいくそうず)とは
呪胎九相図(じゅたいくそうず)とは、史上最悪の術師として名を残した、御三家の汚点『加茂憲倫(かものりとし)』によって生み出された、特級呪物のことです。
呪霊の子を妊娠した女性
明治の始めに、呪霊の子を産むことができる、特異体質の女性がいました。
女性がどのようにして呪霊の子供を妊娠したのかは明らかになっていません。
呪霊の子供を9回妊娠し、その9回すべてが人工中絶となっていますが、その後女性がどうなったかは、一切記録が残っていません。
呪胎九相図(じゅたいくそうず)の元ネタ
呪胎九相図(じゅたいくそうず)の元ネタは、九相図(=九想図(くそうず))という、仏教絵画です。
絵画には、外にうち捨てられた死体が、9つの段階を経て朽ちていく様子が描かれています。
また、9つの段階を経て朽ちていく様子のことを九相観(くそうかん)といい、
などに詳細が載っています。
九相図(九相観)の種類
九相図はその名のとおり、9つの段階があります。
九相図(九相観)の種類
- 脹相(ちょうそう)
- 壊相(えそう)
- 血塗相(けちずそう)
- 膿爛相(のうらんそう)
- 青瘀相(しょうおそう)
- 噉相(たんそう)
- 散相(さんそう)
- 骨相(こつそう)
- 焼相(しょうそう)
九相図(九相観)は、修行僧の悟りの邪魔になる煩悩(ぼんのう)を払うための教えでもあります。
修行僧は男性であることがほとんどであるため、煩悩の対象となるのは女性でした。
九相図(九相観)の内容は、“どれだけ美しい女性でも、死んでしまえば醜く無残な姿になってしまう”、といったことを表しています。
つまり修行僧(男性)が九相図(九相観)を何度も見ることで、自分のなかにある性欲を捨てるための手助けをしてくれていた、と考えられています。
小野小町の九相図
絶世の美女として有名な小野小町(おののこまち)ですが、九相図のモチーフとしても有名です。
小野小町の死体が朽ちていく様子が、九相図として描かれているのが下記です。
生きているときの姿
死んだ直後の姿
脹相(ちょうそう)
脹相(ちょうそう)は、死体が腐敗によるガスの発生により、内部から膨張する様子を表しています。
壊相(えそう)
壊相(えそう)は、死体の腐乱が進み、皮膚が破れて壊れ始める様子を表しています。
血塗相(けちずそう)~膿爛相(のうらんそう)~青瘀相(しょうおそう)
血塗相(けちずそう)は、死体の腐敗による損壊がさらに進んで、溶けた脂肪・血液・体液が、体外に滲みだす様子を表しています。
膿爛相(のうらんそう)は、 死体自体が腐敗により、溶けていく様子を表しています。
青瘀相(しょうおそう)は、死体が青黒くなる様子を表しています。
血塗相(けちずそう)、膿爛相(のうらんそう)、青瘀相(しょうおそう)の九相図は、まとめて一つの絵画として描かれています。
噉相(たんそう)
噉相(たんそう)は、死体に虫がわき、鳥や獣に食い荒らされる様子を表しています。
散相(さんそう)
散相(さんそう)は、これまでの過程により、死体の部位が散乱する様子を表しています。
骨相(こつそう)
骨相(こつそう)は、血肉や皮脂がなくなり骨だけになる様子を表しています。
焼相(しょうそう)
焼相(しょうそう)は、骨が焼かれ、最期には灰だけになってしまう様子を表しています。
呪術廻戦ではすでに、
- 脹相(ちょうそう)
- 壊相(えそう)
- 血塗(相)(けちず(そう))
の3人が登場していますが、壊相(えそう)と血塗(けちず)は、虎杖・釘崎たちの手によって祓われています。